映画『マーガレット・サッチャー』鑑賞しました。

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メリル・ストリープがアカデミー賞で主演女優賞を獲得した映画です。
さすがに、素晴らしすぎる演技力でした。
色々なメリル・ストリープの映画を見たことがありますが、
メリル・ストリープではなかったです。(笑)
完全にご本人そのものではないかと錯覚してしまうほどです。

サッチャー元首相は、現在86歳で認知症のため
現在は表舞台には姿を見せていないようです。


女性の伝記ものと言ったら、数年前の『ココ・シャネル』を思い出します。
予告編を見たときに、そのようなノリなのかなと思って行ったのですが、
全然違いました・・・。 



いい意味で期待を裏切られたというか。
ココ・シャネルは、観た後に「わたしもがんばろう!」と、
劇場から出てきたら、背中が自然とシャンとしていた記憶があるのですが、
マーガレット・サッチャーは、「あなたは幸せですか?」という問いが残って、
モヤモヤした感じで終わりました・・・・。

この、モヤモヤ感は、何だろうかと思いながら、
映画のレビューサイトで、いろんな感想を読んでいたら、
じわじわとあとから、映画の深みを感じました。


映画の構成は、認知症で自宅療養中のマーガレット・サッチャーが、
自分の過去の記憶を回想していくという形です。

しかも、亡き夫(デニス)の幻覚に悩まされながら、
政治家人生を振り返るのです。

亡き夫の幻覚に対して、「教えて、あなたは幸せだった?」と
尋ねるところが切ないです。

女性首相として11年も任期を務め、国を動かしてきた
サクセスストーリー的な印象の方は薄い映し出され方でした。


若きシーンもでてくるのですが、プロポーズシーンが印象的でした。
「(君と結婚することで)僕は幸福になれる」という言葉を発し、
ありのままのマーガレット・サッチャーを愛して結婚に至ったのです。

そして、ずっと政治の場で、マーガレットの隣に寄り添うデニス。
時にはおどけてみせたり、本当にいい旦那さんだったのだろうなと…。

でも、自分は旦那を幸せにしてあげられたのか? って
ずっと気になっていて、旦那の死を受け入れられずに、
幻覚症状に悩まされ続けていたところが、私的にはとても切なくて・・・。

生きている時に、そういうこと聞けなかったのかなって。



もうひとつ、印象に残ったシーンがありました。
認知症のマーガレット・サッチャーが、医者からの問いに答えているシーンです。

「どんな気持ちですか?」と医師が問うのですが、それに対して、
「最近の人々は口ぐちに、どう感じるか、FEELINGと言う事ばかりを気にするが、
人間は、どう考えるか、THOUGHTこそ大事な事なの」と答えるのです。


女性は「感じる」ほうで、男性は「考える」方が先行するイメージが
私にはあります。

ここに、「鉄の女」を感じました。
「頭で考えたことが行動になって、行動はやがて習慣になっていく」というような
セリフにも続いていくのですが、マーガレットのお父さんの言葉だそうです。



サクセスストーリーなんでしょうが、なぜこんなに切ないのでしょうか。
幻覚に悩まされているシーンがとても多いからなのか?

ということは、マーガレット・サッチャーが夫をとても愛していた。
そう解釈することで、彼女がとても幸せだったということなのかもしれない。

なんだか、急に胸が熱くなってきた。


公式サイト