フランス映画『愛、アムール』鑑賞しました。
 パリ在住の80代の夫婦。夫が妻を家で介護している様子が綴られた映画です。アカデミー賞、外国語映画賞の作品です。また、主演女優賞に85歳の妻役のエマニュエル・リヴァが、ノミネートされました。

公式サイト

poster




 アパルトマン内での夫婦の描写がほとんど。登場人物も、老夫婦、一人娘、妻の教え子のピアニスト、看護師、ヘルパー、近所の夫婦のみという、とてもシンプルな映画でした。
 音楽もピアノくらいで、あとは、水の流れる音、窓の外からうっすらと聞こえてくる、車の音、鳩がパタパタしている音、フランス語、だけです。
 映画の最後と最後に流れるクレジットも無音。こんなこと初めてで、観客が立てるもの音が、まるで映画が終わっていないかのような錯覚にとらわれました。

 そんな、シンプルな映画の中で、奏でられているのは、夫婦の愛です。そして、観終わってから思いましたが、「娘の母への愛」も意識してみればよかったです。

 「愛」は、ポジティブでハッピーというだけではないという解釈を、私もいつしかするようになったら、共感の境界線が無くなり、映画もそうですが、人生の感動が増えたことを実感しています。

 ラストシーンは、一瞬「え!」というのがあったのですが、夫のその決断に共感している自分がいました。すごく、妻を愛しているということが、伝わってきたからです。
 淡々とその準備を始める夫の姿が、美しすぎて、涙が流れました。あの、淡々さにも理由があったのかと思うと、すごく切なくなります。


 説明をバッサリと省いた、監督ミヒャエル・ハネケ。観る人が汲み取り、話をつなぐように委ねた作品づくりには、驚かされました。

そうすることで、何が起きるでしょう?
きっと、無意識に訴えるものがあるでしょうが、私には、わからないことです。

 ラストシーンの謎を解明しようと、色々な方のレビューを読んでいたら、なるほどね、と思わせるレビューを書く方が、いらっしゃいました。私も、未だに観たいようにしか観られないところがあるなぁと思わせられました。いやぁ、きっと、ラストはそうなのでしょう・・・。
 そうわかっていくと、本当に素晴らしい映画だったと・・・余韻に浸りたくなりました。