もう1本、母、妹のお勧めで、映画『サイモン・バーチ』鑑賞しました。
私が、"movie buff(映画ファン)" になったのは、ついここ数年のことなので、
意外と過去の名作を見逃してるようですね。

こちらは、号泣でした。。。涙もろいというよりも、映画によってです。
『ベニスに死す』は、感情移入が難しく泣いていませんので。(笑)

saimon


【物語】

生まれつき小さな身体で生まれた、サイモンは、両親に無視されながらも逞しく生きている。そんな彼には、父親が不明な私生児として友人にいじめられているジョーという友達がいた。サイモンは、自分が小さく生まれてきたことを「神様の計画だ」と言う。しかし、ジョーは、「神様の計画」と信仰心みたいなものをあまり好きではなかった。ジョーの母親レベッカは、サイモンも自分の子供のように愛していた。しかし、ある日の出来事、いつもフォアボール狙い要員としてしか出番のないサイモンが、ホームランを打って、レベッカにその球が当たって、レベッカは、あっけなく急死してしまった。それでも、ジョーはサイモンを責めることなく、友達として付き合っていく。それから、サイモンとジョーは、ジョーの父親探しを始める。(これ以降のストーリのネタバレは避けたいので伏せます。)
 

この映画を観て、何に号泣していたのか? 
「絆の深い結びつき」というものに、最近とっても惹かれる自分がいるのです。
それは、恋愛というよりも、知り合いのおじさんと子供、親友などに見られる絆です。
親友とか、知り合いとの絆となると、どこか損得勘定を抜きにして、
優しい気持ちとして、相手を思いやって、考え抜いて伝える言葉が、
なんだかキラキラして見えてきます。


映画の中でサイモンが、ジョーに謝罪の気持ちを込めて、
自分が一番大切にしている宝物を贈ったのです。
その宝物を手にした、ジョーは、「なんで、一番大切にしているものを・・・・」と不思議に思うのですが、
レベッカ(ジョーの母親)とお付き合いをしていたベンが、ジョーに向かって、
「いちばん大切なものをくれたということは、謝りたい気持ちだよ。
君も一番大切にしていて、あげたくないものをサイモンにプレゼントしたらいいよ」と
助言をするシーンがありました。(ベン、なんていい人なんだ! 本当の父親じゃないのに!)

私の第一号泣シーンはここでした。
自分が一番大切にしていて、あげたくないものを親友に贈れというのです。(涙)

本当に、本当に、人とのつながりを大事にしたいと思いました。
宝物ってそういうもんなのだなって、サイモンとジョーの友情を通じて教えてもらいました。


また、サイモンは、生まれつき体が小さく不自由でありながら、
自分のことを「神様の道具」と考えて、自分がこうして生まれたことに、
きっと意味があることを信じて、自分のありのままに生きていくのです。
そして、いつでも人を助けようとして、人に働きかけていくサイモンにも、
愛を教えてもらった気がしました。


サイモンが生まれてきた意味は、何だったのか?
最後にわかるのです。


相手を尊重し、信じたり、待ったりする「愛」もあれば、
こちらから働き掛けていく「愛」も忘れてはいけないと、改めて思わせてもらいました。
どちらにしても、能動的ですね。


とても温かい気持ちになる映画でした。