Inside-Out

 ピクサーの映画は、カタルシスがすごい印象があります。自分の感情に必ずリンクしてしまい、涙があふれてしまうのです。そんなピクサーが、ストレートに「感情」について描いた作品が、『インサイドヘッド』です。私は英語字幕版を観ました。

 主人公の11歳のライリーの頭の中では、「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の5つの感情がつねに、ライリーの言動を司っています。ライリーは、基本的に「ヨロコビ」に満ち溢れる子。

 ところがある日、家族の引越しを境に、友達、故郷と離れるというタイミングで、「カナシミ」がふっとライリーに湧きはじめてしまったのです。

 そんなライリーを救おうと、「ヨロコビ」は、「カナシミ」の感情に触れさせまいとします。「カナシミ」は、自分の役割がないことに余計にネガティブになって…。

 今まで何があっても「大丈夫」なふりをし続けてきたライリーはある日、「ヨロコビ」も「カナシミ」も感じられない、無感情になってしまいました。ライリーは、どうしたら再び感情を取り戻せるのでしょうか?

 
 きっと、誰もが自分と重ね合わせてしまうのだと思います。
 私は、基本的に「ヨロコビ」の性格に似ていたと思います。「カナシミ」の人の気持ちを共感することがとても難しいと感じてしまいがちなタイプでした。
 ライフコーチになりたてのころは、ポジティブなクライアントさんや、感情をコントロールしてしまうタイプの人が相手ならば、自分もセッションがしやすいと感じていました。ところが、そうでない方のほうが、普通のことなのだとだんだんとわかっていき、「傷つきました」と数人のクライアントさんから意見を言われ始めていったのです。


 それをきっかけに、私も自分の「カナシミ」をどこかに、おいけぼりにしてきたのかもしれな、と気づき始めました。 混沌としていたころは、まさにライリーのごとく「無感情」に近い状態になったのです。2010年くらいのことです。

 それから、一人旅を毎年繰り返し、自分の中からたまに湧いてくる「カナシミ」の感情に向き合ってみることにしました。そうすると、ネガティブな感情を持っている人に共感的理解を示せるようにもなりました。一緒にその感情を共有することで、そのあとから相手が元気になって、体育会系でなく、自然と前進する力を持ち始めたのです。

 感情にポジティブもネガティブもジャッジせず、出てきた感情をそのまま味わい尽くすことの大切さを体感したのです。

 映画の中で、「カナシミ」が「悲しんでいる相手」に寄り添ってあげているシーンが印象的でした。
 ポジティブな言葉をかけたわけでもないのに、元気を取り戻したのを目の当たりにした「ヨロコビ」は、「どうして???なんで元気になったの???」とはてなマーク。「カナシミ」にとっては、カナシミに浸ることは普通のことですから、「わからないよ…」という返事をしていました。

 ただ、相手の気持ちに寄り添っていたということです。そのあたりから、「ヨロコビ」も「カナシミ」のことが必要だと思い始めていったのです。

 感情を受け止めることが、より人生を豊かにしていくんだというメカニズム的なものが、ピクサー流に描かれているのです。
 とても深い映画でした。一緒に観に行った人は、基本的に「ヨロコビ」フォーカスタイプだったため、途中の「カナシミ」のいいシーンに、寝息を立てていました。あとから私が解説して、よくわかったようです。(笑)

「話し上手は、聴き上手」質問力をつけよう!
『1000問の質問集』 好評発売中!

IMG_9143 (1)