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 私の部屋から見える高層マンションの左と右の棟の間に40メートルのワイヤーが架かり、そこを歩く男の姿が見えます。なんてことが起きたら・・・・。
 映画は無料鑑賞券を使うためが目的だったので、2D鑑賞になってしまいましたが、今、リアルな世界に3Dイメージを結び付けて想像してみると、身の毛もよだつ、スリリングな光景。

 映画『The Walk』。1974年に完全違法状態で、ワールドトレードセンターの2棟のビルにワイヤーをかけて、綱渡りしたフランス人の実話です。

 「ワールドトレードセンターの間を綱渡りするんだ!」ということを思いついたとしても、"It's impossible."と、普通の人は思うでしょうが、この人、絶対実現させる気満々なのです。

 そんな狂気じみた彼の中のイメージをどうやって実現させたのか?

 そんな夢を人に語っても、そりゃ無謀だろう・・・と誰かしらに止められたでしょうし、協力したとしたら、それは共犯者で逮捕されるでしょうし。だけど、そんな男の夢に魅了され、夢の共犯者が吸い寄せられるように集まっていきながら、チームが結成されていく。

 その夢にしかフォーカスしていない狂気。成功するためにどうするのか? チャンスは8月6日のみ。それまでに計画がバレたら、全てがオジャンですから。

 バレないかな? ということにもハラハラしてしまいますが、ワールドトレードセンターの間を一度渡ったらそれで終わりかと思ったのに、また反対側へ戻るという・・・。えっ?! と、どこまでもハラハラさせる映画です。

 協力者が集まるひとの魅力というか、そういう生きるヒントみたいなものも描かれた映画でした。
 しかし、周りが支えてくれていることにも気付きながらも、成功する前に「ありがとう」と言ってしまったら、緊張感もどこかで途切れてしまいそう。「ありがとう」と素直に言いなさい、と恋人に諭されないと言えなかった主人公の心境も理解できます。成し遂げたときに初めて、たくさん感謝も見えてくるのが、人生なのかもしれないと思いました。

 自分の心の声に従えば従うほど、周りの人の協力も必要になっていく。それは、むしろ自分勝手ではなくて、周りの人にも同時に感動を与えている。

 こんなこと成し遂げるなんて、神がかっているとしか言いようがありません。

 綱渡りシーンでは、彼自身の夢に過ぎなかったことが、たちまち神様からのメッセンジャーとしての神神しさに包まれたかのような描写が心に染みわたり、自然と涙が流れてきました。夢、出逢い、チームワーク、決戦の日・・・そして最後は神神しい。それがノンフィクションなんて、いまだに信じられないです。

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