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 『ニュー・シネマ・パラダイス』、『鑑定士と顔のない依頼人』のトルナトーレ監督、ラブストリー最新作。『ある天文学者の恋文』を鑑賞してきました。最近、泣ける映画が少なかった気がするので、久々に泣きました〜。私は単純にロマンチックな映画が大好きなため、もう一度観たいくらいです。(笑)

 あらすじとしては、教え子(エイミー)と教授(エド)は秘密の恋愛をしているのですが、ある日、突然エイミーの元に届いたエドの訃報。しかし、彼女の元にはその後もエドからの手紙やメールや贈り物が届き続ける…。

 そのあたりからミステリーを解き明かすモードになっていくのですが…。
 何故そんなことが可能なのか? ちょっと想像してみたらわかると思います。今の技術なら予約配信、予約配送もできたりしますよね。それにしても、タイミングよすぎのときに、エイミーにエドからメッセージやビデオレター、花束、手紙が届くわけです。どれだけ、エイミーのことを愛していたのでしょうか…。ストーカーまがいの方法ですし、周りにもそういうことは協力してもらわないとできないことでしょうし…。だけれども、残りの人生を、愛する人のことをいろいろと想像して、自分がいなくなっても、導き続けている、星の輝きは、数千年前の光が、今地球に届いている=「天文学者」にもそれは繋がっているのでしょう。星の光がやっていることは、過去と今を同時に生きているという、星の世界だから通用することなんでしょう。

 ということで、トルナトーレ監督のアイデアがすごすぎて、そこにも感銘しました。現代だから可能な文通です。遺書のようなものが、自分がいなくなってからも、相手に届くのです。現実に起きたら、怖いですけれど…。

 
 主人公のエイミーを演じるのは、ウクライナ出身の女優、オルガ・キュリレンコ。この主人公は、アルバイトでスタントマンの仕事もしています。何故? と思いましたが、途中で、彼女の過去のトラウマが分かっていきます。ラブストーリーでもありながら、トラウマを癒すストーリーでもありますし、メッセージに気づかせるためのシンクロニシティーが随所に、突飛な感じではありますが、ちりばめられています。

 とにかく、ロマンチック目線で、素直に物語に入っていけば、120分が本当にあっという間だし、音楽やイタリア、サンジュリオ島の美しさにも心が癒されていくようでした。行ってみたいな〜。映像の構図も素晴らしく、たくさんインスパイアされました。

 人生において、何か謎を解くために探求することだったり、愛する人のことだけをずっと考えている幸せだったり、自分の向き合いたくないところに、向き合って考えてみたり…と、そういうことが、人生をもっと深くしてくれるスパイスになるんだなと、改めて思い出させてもらった感じもしました。

 英語もブリティッシュアクセントで聴きやすいですし、イタリア人が英語を話しているシーンも多いので、英語がそのまま理解できる嬉しさもありましたね。リリースされたら、私のiPhoneにしまっておきたい作品でした!

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