7日目。晴れ。
朝、5時に起床。日本なら、朝の5時というのは早起きのような気がするものですが、外国にいると、早いとか遅いとかそういう気を持たないのが不思議です。
早朝のため、安全策としてタクシーで、TGVの駅の「Paris Gare Lyon」へ。
6:00に到着しました。乗り場を確認するために、案内をチェック。去年のアヴェニョンでは、乗る号車を間違えて、指定席にもかかわらず、3時間床に座るはめになったので、かなり慎重です。
TGVのチケットは、簡単にネットで買えます。時間帯ごとに値段も違うので、自分が納得できる金額と時間のものを自由に選べます。1等席と2等席があって、新幹線で言うと1等席は、グリーン車のようなものです。車内の照明も例のオレンジ色の間接照明で癒されます。1等席は、食堂車も併設されており、そこで軽食を買うことができます。
★TGVチケット購入サイト
切符は、日本みたいに改札を通るというシステムではなく、家で印刷したチケットをそのまま持って列車に乗り、切符をチェックしにきたら、見せるだけ。バーコードリーダーがついているので、それを読み込む作業をされました。
まだ、外は真っ暗です。そろそろ朝食をと思い食堂車へ行ってみました。いろいろありましたが、6.5ユーロのベーシックなモーニングにしました。単にクロワッサンなのですが、楽しい気分になってきます。
たまたま東側の一人がけ席に座れたので、朝日を見ることができました。日本は、8割が山で、2割が平地ですが、フランスはその反対なので、平原に朝靄が、漂う感じで草の上を這っていました。
これから出ようとしている太陽の光が水平になって、白い霧をうっすらと照らしていました。こんな幻想的な風景は初めてです。ときどき、牛や羊が見えました。ただ、ただ、じっとしている草食動物にそのときばかりは、なってみたいと思ってしまいました。
だんだんと街並みが見えてきて、リヨンに2時間ほどで到着しました。
午前9:00 。駅は、かなりの人でごった返していました。
そして、リヨンについて、早速、「やっちまった・・・」と思ったのが、リヨンの観光案内をそういえば、買っていなかったこと。(涙)
どこへ行こうかな? と思ったときに、何も持っていない自分に気づいたのです。ほんの一瞬、途方にくれました。
「どうしよう、どうしよう」
何か手掛かりがないかと、うろうろします。今、リヨンのどの位置かさえもわからない!
「そうだ、地図がほしい!」
よく、観光案内所みたいのがあるかと思いますが、そういうのはなくて、マネジメントオフィスみたいのは見つかりました。そこの入り口の人に、マップを下さいと頼んだら、彼女のウエストポーチの中にある予備のようなマップをくれました。明らかにすでに使い古されていました。
そんな、おさがりのようなマップだけを頼りに、次に何をしたかと言うと、iPhoneで「リヨン観光」と検索しました。すると、私が一番行ってみたいと思っていたFourvierの丘に関しての情報が見つかりました。
駅名が記されていたので、おさがりのマップで今いる場所を丸で囲み、Fourvierを見つけて、丸を囲みました。Gare Part-Dieu Vivier Merieから3本乗り継いで、Fourviereです。
リヨンの地下鉄は、Parisよりも新しくて、街の人たちもなんだかオシャレです。ちょっとモナコの雰囲気にも似ているでしょうか。
Fourviereへは、箱根登山鉄道みたいな、傾斜のある電車になっていました。どうやら、リヨンの高い方へと登ってきたみたいです。
■Fourviere にあるノートラダム・ド・フルヴィエールバジリカ聖堂
駅に着くと、目の前に立派な聖堂が見えました。青空に白い聖堂が映えて、その美しさに圧倒されました。入口のレリーフは、女神と天使です。随所に、羽のレリーフが見えて、だから、柔らかく感じるのでしょうか。ノートルダム大聖堂は、法王がずらーっと並んでいるデザインですから、比べると全く対照的でした。
中に入ると、現在は工事中になっていました。見えた階段を下りてみると、なんと、地下にもステンドグラスが美しい聖堂になっていて、ダブルな作りにまた、びっくりさせられました。
■フルヴィエールの丘
次なる場所は、リヨンの旅で一番メインにしたいと考えていた、フルヴィエールの丘です。聖堂のすぐ裏がそうでした。
「わーーーー!」
あたりは、私以外誰もいません。この天空を独り占めできるなんて!
「どうか、リヨンの日は、晴れますように」と願っていた通りの吸い込まれそうな青い空。
やばいです。(笑)
朝10時になっていたことに、教会の鐘の音で気づきました。
思いっきり深呼吸をして、この場所の景色のことを胸に刻み込みました。今日の目的が終わってしまったかの状態でしたので、どんなに道に迷っても、許される気分になりました。
■ローマ劇場
次に行きたいところは、「ローマ劇場」です。円形劇場があり、今でも使われているところなのだそうです!
案の定、道に迷いすぎました。iPhoneのマップを開くと、日本語で「ローマ劇場」と記されていることに、気づきました。iPhoneのバージョンアップは、不評という評判を聞いていたので、開こうともしなかったのです。しかし、開いてみたら、観光案内としては、去年よりも使える状態になっていました。カフェやレストラン、有名なお店の名前も見られるほど!
無事にローマ劇場へ到着。こんな開放的な空間でのコンサートは、さぞかし感動するでしょう!
ここの駅での目的を果たしたので、次なるところへ。
検索して、思い出したのが、リヨンは、「サン・テグジュペリ」の生家があるということです! こんな重要なことも、メモしないで、来てしまいました。(笑)
■サン・テグジュペリの生家
「ベルクール広場」へ行けば、分かるようなので、メトロを乗り継いで、「Bellecour」へ。10分くらいで到着です。広場ですので、まあまあ広くて、サン・テグジュペリと星の王子さまの像を探すのに5分きょろきょろしてしまいました。そうしたら、広場の端っこのほうに、ちょこんと像がありました。
サン・テグジュペリの肩に星の王子さまが手を置いて、『星の王子さま』のパイロットと王子さまの関係を表しているようです。
そして、生家を探すために、また検索すると、その銅像から少し南へ行き西の方にという、とても分かりにくい書き方をしている人がいて、方位磁石を出して、そのとおり少し南の西へ歩いてみたのですが、まったく見つかりません。そして、また像に戻りました。(涙)
他にも検索してみたら、ちょっと分かってきて、ようやく見つかりました。
確かに、南に少し西に…でしたが、私が書くならば、「その銅像を真正面にみて、左手前方45度あたり徒歩1分」と書きたいところです。(笑)
ベルクール広場すぐわきの道、サンテグジュペリ通りにあります。
ここが生家であるという紋章がありました。あんなに素敵な書物を世の中に出してくれたことに感謝です。
■本屋
生家から隣の隣くらいに本屋さんがあり、当然のごとく、ウインドウに「Le Petit Prince」が見えたので、入ってみることにしました。
とても充実した本屋さんで、なんとなく「リヨン観光案内」コーナーに入って行きました。そこで、「あ!」と思ったのが、ランチを食べる場所を探すことです。フランス語は読めないけれど、写真と住所が分かれば!
その中でも、一般的な案内と違うものを発見しました。「My Little Lyon」という本で、かわいらしいイラストと写真が多めです。文字が読めなくても、なんとなくわかる!
そして、ぱっと開いたページに「ラーメン」が見えました。(笑)
「よし、ここへ行こう!」
本もかわいいので、お土産に買うことにしました。
iPhoneで検索して、駅を見つけました。ベルクールから15分くらいで行けそうです。Google mapにも、レストラン名が登録されていたので、場所も完ぺきです。
メトロに乗りました。
乗り換えの駅で、警官がいて、みんな何やらチェックを受けている様子が見えました。私も止められました。どうやら、切符の抜き打ちチェックです。
ParisもLyonのメトロも、一度切符を通したら、出口では、切符を通す必要がないシステムなのです。悪い人は、それを承知で、改札口を乗り越える姿も見たことがあります。だから、抜き打ちチェックなのです。
私は、その時に限って、チェックの場所から30メーター手前のごみ箱に、切符を捨ててきてしまいました。(涙)それを、警官に伝えるのですが、フランス語で威圧的にこちらに何かを言ってくるので、困りました。「ちゃんと切符で入ったけれど、たった今、ごみ箱に捨てちまったのさ…」と言っても信じてくれません。「戻るからちょっと待っていてくれ」と言うと、「パスポートを出せ」と言って、没収されました。急に腹が立ってきました。こんな抜き打ちするなら、初めから日本みたいにしておくれ! と。
そして、そのゴミ箱に戻ると、1秒で発見。幸運にも、私の切符は、新聞紙の捨ててある真上に乗っかっていました。ごみ箱をあさり切符を探すことになると思っていたので、最悪の事態は免れました。
警官に見せると、パスポートを返してくれました。リヨンがはじめての観光客にもそんな態度で接してくるのですから…。「現実がすべて」で、何を言っても無駄に扱われるところは、それこそ、心の目で見てほしいなぁ、なんて思ってしまいました。まあ、でも仕事ですからね…。
そんな気分でいたので、やっぱりまた道を間違えて、戻ってを繰り返し、ようやくお目当てのレストラン「YOMOGI」を見つけました。店はオシャレなリヨンの若者たちで、大混雑でした!
メニューを見ると、ひらがなが見えました。
チャーシューメンしょうゆ味と餃子のランチセットを頼みました。
まず、餃子。
プチ餃子なのですが、とってもおいしいではないですか!
そして、ラーメン。
泣けるほどのうまさ! 細麺なのに、ちょっと麺がもっちりしている触感なのです。もしや、日本で食べるよりもおいしいかも、と思ってしまいました。あまり、日本にいてもラーメンを食べることが少ないので、久しぶりのラーメンにも同時に感動していたのかも知れませんが!
あまりにもおいしくて、「東京よりもおいしかったです」と伝えると、リヨンの店員さんは、喜んでいました。
こんなにおいしいラーメン屋があるのならと、あたりを散策してみると、これまた、見た目だけで美味しさが伝わってくるパン屋さんを発見しました。私が店に入ると、後からあとから人がどっと入ってきました。人気のようですね。
あまりにも種類が多すぎて、迷いましたが、やはり「パンオショコラ」です。そして、ぱっと目についたクルミパンにしました。日本のパン屋は、セルフサービスでトレーに乗せる方式ですが、こちらは、お店の人に言って、取ってもらう方式。日本でもPAULは、フランス方式をかたくなに守っているのかもしれませんね。
そういえば、子供のころに通っていた近所の行列のできるパン屋は、フランス方式だったことを今思い出しました。いつからか、セルフサービスという効率のほうが求められるようになったのでしょうか。その方が、客単価も上がりそうです。でも、お店の人とのやり取りもやっぱりいいですね。
さらに歩いて行くと、ソーヌ川が見えました。ということは、川に沿って歩けば、先ほどの広場に戻れることが分かり、そこで位置関係がとうとう頭の中でつながりました。
川を挟んで、新市街、旧市街に分かれているのです。旧市街のほうは、聖堂のある側です。
丘の上の聖堂なので、どこからでも望めてしまう、リヨンの街にとっては、欠かせないモニュメントですね。サン・テグジュペリも、この聖堂を家から眺めていたのでしょうか。
川に沿いながら、まずは旧市街の散策をしました。かなり古い建物も多いです。
この先、何があるのだろう? と、旅人の好奇心をそそる階段をずんずんと進んで行った先には、また階段がありました。丘陵地帯になっており、聖堂へ続くための急な階段のルートがいろいろとあるようです。日本だと山道になりますが、ここは高くても丘の上。統一感のある低い建物。きっと何百年たってもあまり風景が変わることのない場所。時間がゆっくりと流れている。変化の激しい日本とは、対照的です。
旧市街から新市街へ、ソーヌ川にかかる赤い橋を渡って戻りました。
新市街のほうが、ショップも充実しており、お買い物スポットのようです。
いつもフランスに来たら、靴を買います。日本だと、24.5サイズの私は、靴選びに苦労が多いです。
こちらは、石畳の多い国であり、雨が降ったりやんだりするから、雨にも強そうで、素材も創りも、奥深さを感じます。また、靴を買うと防水スプレーいりますか? と聞かれることもあって、レザーに対しての意識の高さを伺えます。
靴屋もとても多く、新市街で、6軒くらい見ました。もう時間的に夕方で、帰りまであと1時間くらいのところで、ようやく、「これ!」と言うのを見つけました。ショートブーツで、ひも付きを探していたのです。色々見るのですが、なかなかしっくりこなかったので、ようやくです。
接客してくれたお姉さんに、ネイルを褒められました。でも、英語があまり分からないようで、熟練した店員さんがフォローして、この靴についての説明をしてくれました。素材のレザーも靴底も、よさそうです。
パリジェンヌがよくしているスキニーパンツの上に、少しボリュームのあるニットを組み合わせている格好がなんともかわいいので、それで行きたいと思います。
そろそろ、帰りの時間になってきたので、少し早めに駅に戻ることにしました。
TGVの時間をチェックすると、予定よりも10分遅れになっていました。到着ホームと、乗車車両の位置を確認し、無事に乗れました。去年のTGVリベンジ、もう大丈夫です!
夕食は、TGV1等席の中で。PAULのサラダと先ほどのパン屋のクルミパンの夕食です。クルミの入り方が、しっかりしていて、サラダとの相性も良く、美味しく頂きました!
21:00ころParisに到着。リヨン日帰り観光は、地図がないところから始まりましたが、無事に楽しめました。マップをみると、私が辿ったエリアは、全体の1/7くらい。もっと奥深いものがまだまだありそうです。
きっと、サン・テグジュペリが見ていた、聖堂やソーヌ川を私も見られたことが嬉しかったです。また、日本でリヨンの光景を想いだしながら、『星の王子さま』を改めて読みたいです。
あまりにも手ぶらで来てしまって、何をしたらいいか困ったわりには、とても充実した旅となりました。9時間の自由行動で、時間に余裕があったから、成り立ちますが、もう少し調べてきても良かったかもしれませんね。iPhoneのおかげでした。(笑)
明日は、1日中Parisです。
追伸:日本に無事、帰国しました。早速、実家へもお土産を届けたところです。
日記は、あと1.5日分で終了ですので、明日アップしたいと思います!
朝、5時に起床。日本なら、朝の5時というのは早起きのような気がするものですが、外国にいると、早いとか遅いとかそういう気を持たないのが不思議です。
早朝のため、安全策としてタクシーで、TGVの駅の「Paris Gare Lyon」へ。
6:00に到着しました。乗り場を確認するために、案内をチェック。去年のアヴェニョンでは、乗る号車を間違えて、指定席にもかかわらず、3時間床に座るはめになったので、かなり慎重です。
TGVのチケットは、簡単にネットで買えます。時間帯ごとに値段も違うので、自分が納得できる金額と時間のものを自由に選べます。1等席と2等席があって、新幹線で言うと1等席は、グリーン車のようなものです。車内の照明も例のオレンジ色の間接照明で癒されます。1等席は、食堂車も併設されており、そこで軽食を買うことができます。
★TGVチケット購入サイト
切符は、日本みたいに改札を通るというシステムではなく、家で印刷したチケットをそのまま持って列車に乗り、切符をチェックしにきたら、見せるだけ。バーコードリーダーがついているので、それを読み込む作業をされました。
まだ、外は真っ暗です。そろそろ朝食をと思い食堂車へ行ってみました。いろいろありましたが、6.5ユーロのベーシックなモーニングにしました。単にクロワッサンなのですが、楽しい気分になってきます。
たまたま東側の一人がけ席に座れたので、朝日を見ることができました。日本は、8割が山で、2割が平地ですが、フランスはその反対なので、平原に朝靄が、漂う感じで草の上を這っていました。
これから出ようとしている太陽の光が水平になって、白い霧をうっすらと照らしていました。こんな幻想的な風景は初めてです。ときどき、牛や羊が見えました。ただ、ただ、じっとしている草食動物にそのときばかりは、なってみたいと思ってしまいました。
だんだんと街並みが見えてきて、リヨンに2時間ほどで到着しました。
午前9:00 。駅は、かなりの人でごった返していました。
そして、リヨンについて、早速、「やっちまった・・・」と思ったのが、リヨンの観光案内をそういえば、買っていなかったこと。(涙)
どこへ行こうかな? と思ったときに、何も持っていない自分に気づいたのです。ほんの一瞬、途方にくれました。
「どうしよう、どうしよう」
何か手掛かりがないかと、うろうろします。今、リヨンのどの位置かさえもわからない!
「そうだ、地図がほしい!」
よく、観光案内所みたいのがあるかと思いますが、そういうのはなくて、マネジメントオフィスみたいのは見つかりました。そこの入り口の人に、マップを下さいと頼んだら、彼女のウエストポーチの中にある予備のようなマップをくれました。明らかにすでに使い古されていました。
そんな、おさがりのようなマップだけを頼りに、次に何をしたかと言うと、iPhoneで「リヨン観光」と検索しました。すると、私が一番行ってみたいと思っていたFourvierの丘に関しての情報が見つかりました。
駅名が記されていたので、おさがりのマップで今いる場所を丸で囲み、Fourvierを見つけて、丸を囲みました。Gare Part-Dieu Vivier Merieから3本乗り継いで、Fourviereです。
リヨンの地下鉄は、Parisよりも新しくて、街の人たちもなんだかオシャレです。ちょっとモナコの雰囲気にも似ているでしょうか。
Fourviereへは、箱根登山鉄道みたいな、傾斜のある電車になっていました。どうやら、リヨンの高い方へと登ってきたみたいです。
■Fourviere にあるノートラダム・ド・フルヴィエールバジリカ聖堂
駅に着くと、目の前に立派な聖堂が見えました。青空に白い聖堂が映えて、その美しさに圧倒されました。入口のレリーフは、女神と天使です。随所に、羽のレリーフが見えて、だから、柔らかく感じるのでしょうか。ノートルダム大聖堂は、法王がずらーっと並んでいるデザインですから、比べると全く対照的でした。
中に入ると、現在は工事中になっていました。見えた階段を下りてみると、なんと、地下にもステンドグラスが美しい聖堂になっていて、ダブルな作りにまた、びっくりさせられました。
■フルヴィエールの丘
次なる場所は、リヨンの旅で一番メインにしたいと考えていた、フルヴィエールの丘です。聖堂のすぐ裏がそうでした。
「わーーーー!」
あたりは、私以外誰もいません。この天空を独り占めできるなんて!
「どうか、リヨンの日は、晴れますように」と願っていた通りの吸い込まれそうな青い空。
やばいです。(笑)
朝10時になっていたことに、教会の鐘の音で気づきました。
思いっきり深呼吸をして、この場所の景色のことを胸に刻み込みました。今日の目的が終わってしまったかの状態でしたので、どんなに道に迷っても、許される気分になりました。
■ローマ劇場
次に行きたいところは、「ローマ劇場」です。円形劇場があり、今でも使われているところなのだそうです!
案の定、道に迷いすぎました。iPhoneのマップを開くと、日本語で「ローマ劇場」と記されていることに、気づきました。iPhoneのバージョンアップは、不評という評判を聞いていたので、開こうともしなかったのです。しかし、開いてみたら、観光案内としては、去年よりも使える状態になっていました。カフェやレストラン、有名なお店の名前も見られるほど!
無事にローマ劇場へ到着。こんな開放的な空間でのコンサートは、さぞかし感動するでしょう!
ここの駅での目的を果たしたので、次なるところへ。
検索して、思い出したのが、リヨンは、「サン・テグジュペリ」の生家があるということです! こんな重要なことも、メモしないで、来てしまいました。(笑)
■サン・テグジュペリの生家
「ベルクール広場」へ行けば、分かるようなので、メトロを乗り継いで、「Bellecour」へ。10分くらいで到着です。広場ですので、まあまあ広くて、サン・テグジュペリと星の王子さまの像を探すのに5分きょろきょろしてしまいました。そうしたら、広場の端っこのほうに、ちょこんと像がありました。
サン・テグジュペリの肩に星の王子さまが手を置いて、『星の王子さま』のパイロットと王子さまの関係を表しているようです。
そして、生家を探すために、また検索すると、その銅像から少し南へ行き西の方にという、とても分かりにくい書き方をしている人がいて、方位磁石を出して、そのとおり少し南の西へ歩いてみたのですが、まったく見つかりません。そして、また像に戻りました。(涙)
他にも検索してみたら、ちょっと分かってきて、ようやく見つかりました。
確かに、南に少し西に…でしたが、私が書くならば、「その銅像を真正面にみて、左手前方45度あたり徒歩1分」と書きたいところです。(笑)
ベルクール広場すぐわきの道、サンテグジュペリ通りにあります。
ここが生家であるという紋章がありました。あんなに素敵な書物を世の中に出してくれたことに感謝です。
■本屋
生家から隣の隣くらいに本屋さんがあり、当然のごとく、ウインドウに「Le Petit Prince」が見えたので、入ってみることにしました。
とても充実した本屋さんで、なんとなく「リヨン観光案内」コーナーに入って行きました。そこで、「あ!」と思ったのが、ランチを食べる場所を探すことです。フランス語は読めないけれど、写真と住所が分かれば!
その中でも、一般的な案内と違うものを発見しました。「My Little Lyon」という本で、かわいらしいイラストと写真が多めです。文字が読めなくても、なんとなくわかる!
そして、ぱっと開いたページに「ラーメン」が見えました。(笑)
「よし、ここへ行こう!」
本もかわいいので、お土産に買うことにしました。
iPhoneで検索して、駅を見つけました。ベルクールから15分くらいで行けそうです。Google mapにも、レストラン名が登録されていたので、場所も完ぺきです。
メトロに乗りました。
乗り換えの駅で、警官がいて、みんな何やらチェックを受けている様子が見えました。私も止められました。どうやら、切符の抜き打ちチェックです。
ParisもLyonのメトロも、一度切符を通したら、出口では、切符を通す必要がないシステムなのです。悪い人は、それを承知で、改札口を乗り越える姿も見たことがあります。だから、抜き打ちチェックなのです。
私は、その時に限って、チェックの場所から30メーター手前のごみ箱に、切符を捨ててきてしまいました。(涙)それを、警官に伝えるのですが、フランス語で威圧的にこちらに何かを言ってくるので、困りました。「ちゃんと切符で入ったけれど、たった今、ごみ箱に捨てちまったのさ…」と言っても信じてくれません。「戻るからちょっと待っていてくれ」と言うと、「パスポートを出せ」と言って、没収されました。急に腹が立ってきました。こんな抜き打ちするなら、初めから日本みたいにしておくれ! と。
そして、そのゴミ箱に戻ると、1秒で発見。幸運にも、私の切符は、新聞紙の捨ててある真上に乗っかっていました。ごみ箱をあさり切符を探すことになると思っていたので、最悪の事態は免れました。
警官に見せると、パスポートを返してくれました。リヨンがはじめての観光客にもそんな態度で接してくるのですから…。「現実がすべて」で、何を言っても無駄に扱われるところは、それこそ、心の目で見てほしいなぁ、なんて思ってしまいました。まあ、でも仕事ですからね…。
そんな気分でいたので、やっぱりまた道を間違えて、戻ってを繰り返し、ようやくお目当てのレストラン「YOMOGI」を見つけました。店はオシャレなリヨンの若者たちで、大混雑でした!
メニューを見ると、ひらがなが見えました。
チャーシューメンしょうゆ味と餃子のランチセットを頼みました。
まず、餃子。
プチ餃子なのですが、とってもおいしいではないですか!
そして、ラーメン。
泣けるほどのうまさ! 細麺なのに、ちょっと麺がもっちりしている触感なのです。もしや、日本で食べるよりもおいしいかも、と思ってしまいました。あまり、日本にいてもラーメンを食べることが少ないので、久しぶりのラーメンにも同時に感動していたのかも知れませんが!
あまりにもおいしくて、「東京よりもおいしかったです」と伝えると、リヨンの店員さんは、喜んでいました。
こんなにおいしいラーメン屋があるのならと、あたりを散策してみると、これまた、見た目だけで美味しさが伝わってくるパン屋さんを発見しました。私が店に入ると、後からあとから人がどっと入ってきました。人気のようですね。
あまりにも種類が多すぎて、迷いましたが、やはり「パンオショコラ」です。そして、ぱっと目についたクルミパンにしました。日本のパン屋は、セルフサービスでトレーに乗せる方式ですが、こちらは、お店の人に言って、取ってもらう方式。日本でもPAULは、フランス方式をかたくなに守っているのかもしれませんね。
そういえば、子供のころに通っていた近所の行列のできるパン屋は、フランス方式だったことを今思い出しました。いつからか、セルフサービスという効率のほうが求められるようになったのでしょうか。その方が、客単価も上がりそうです。でも、お店の人とのやり取りもやっぱりいいですね。
さらに歩いて行くと、ソーヌ川が見えました。ということは、川に沿って歩けば、先ほどの広場に戻れることが分かり、そこで位置関係がとうとう頭の中でつながりました。
川を挟んで、新市街、旧市街に分かれているのです。旧市街のほうは、聖堂のある側です。
丘の上の聖堂なので、どこからでも望めてしまう、リヨンの街にとっては、欠かせないモニュメントですね。サン・テグジュペリも、この聖堂を家から眺めていたのでしょうか。
川に沿いながら、まずは旧市街の散策をしました。かなり古い建物も多いです。
この先、何があるのだろう? と、旅人の好奇心をそそる階段をずんずんと進んで行った先には、また階段がありました。丘陵地帯になっており、聖堂へ続くための急な階段のルートがいろいろとあるようです。日本だと山道になりますが、ここは高くても丘の上。統一感のある低い建物。きっと何百年たってもあまり風景が変わることのない場所。時間がゆっくりと流れている。変化の激しい日本とは、対照的です。
旧市街から新市街へ、ソーヌ川にかかる赤い橋を渡って戻りました。
新市街のほうが、ショップも充実しており、お買い物スポットのようです。
いつもフランスに来たら、靴を買います。日本だと、24.5サイズの私は、靴選びに苦労が多いです。
こちらは、石畳の多い国であり、雨が降ったりやんだりするから、雨にも強そうで、素材も創りも、奥深さを感じます。また、靴を買うと防水スプレーいりますか? と聞かれることもあって、レザーに対しての意識の高さを伺えます。
靴屋もとても多く、新市街で、6軒くらい見ました。もう時間的に夕方で、帰りまであと1時間くらいのところで、ようやく、「これ!」と言うのを見つけました。ショートブーツで、ひも付きを探していたのです。色々見るのですが、なかなかしっくりこなかったので、ようやくです。
接客してくれたお姉さんに、ネイルを褒められました。でも、英語があまり分からないようで、熟練した店員さんがフォローして、この靴についての説明をしてくれました。素材のレザーも靴底も、よさそうです。
パリジェンヌがよくしているスキニーパンツの上に、少しボリュームのあるニットを組み合わせている格好がなんともかわいいので、それで行きたいと思います。
そろそろ、帰りの時間になってきたので、少し早めに駅に戻ることにしました。
TGVの時間をチェックすると、予定よりも10分遅れになっていました。到着ホームと、乗車車両の位置を確認し、無事に乗れました。去年のTGVリベンジ、もう大丈夫です!
夕食は、TGV1等席の中で。PAULのサラダと先ほどのパン屋のクルミパンの夕食です。クルミの入り方が、しっかりしていて、サラダとの相性も良く、美味しく頂きました!
21:00ころParisに到着。リヨン日帰り観光は、地図がないところから始まりましたが、無事に楽しめました。マップをみると、私が辿ったエリアは、全体の1/7くらい。もっと奥深いものがまだまだありそうです。
きっと、サン・テグジュペリが見ていた、聖堂やソーヌ川を私も見られたことが嬉しかったです。また、日本でリヨンの光景を想いだしながら、『星の王子さま』を改めて読みたいです。
あまりにも手ぶらで来てしまって、何をしたらいいか困ったわりには、とても充実した旅となりました。9時間の自由行動で、時間に余裕があったから、成り立ちますが、もう少し調べてきても良かったかもしれませんね。iPhoneのおかげでした。(笑)
明日は、1日中Parisです。
追伸:日本に無事、帰国しました。早速、実家へもお土産を届けたところです。
日記は、あと1.5日分で終了ですので、明日アップしたいと思います!
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