映画『小さいおうち』観賞。久しぶりの邦画です。
レディースデー、正午の映画館へ行ったら、シルバーの方々でいっぱいで、
いつもと違う光景に自分の守備範囲が広いのかもと思ってしまいました。(笑)
なぜ、ひさびさの邦画になったのか。
それは、黒木華さんがベルリン国際映画祭で銀熊賞ということで、
どんなところが評価されたのかなとか、興味を持ちました。
あらすじをかなり簡単に言いますと、昭和初期。平井家の女中として来た「タキ」が見た「小さいお家」で起こった情事についてです。奥さま「時子」と夫「雅樹」の部下で「板倉正治」という青年が現れ、時子の心が板倉へと傾いていくのです。そんな板倉に実は「タキ」も惹かれていたのではないかと…。物語は、晩年のタキがつづった自叙伝をタキの親類・健史が紐解いていき、それまで秘められていた真実を知る・・・ストーリーです。
話としては、わかりやすいお話しです。いろいろとレビューや海外の評価が低いという記事なども読んで、自分をニュートラルに整えて、観てから1時間して発見したことがありました。これは、私が感じた真実であり、いまのところ誰の感想にも書いていなかったのですが。(笑)
そんな風に、物語の真実を勝手に想像して、「そうだったのかも!」と後から楽しんでいる自分がいました。
映画を見ながら、いろいろな気持ちに共感できるのではないかと思います。
・恋に落ちる瞬間
・秘密を持ってしまったとき
・罪を打ち明ける時
・カタルシスが起きる時
・自分の思いを封印し続ける辛さ
もっとたくさんあると思うのですが、2時間強のなかで、一瞬たりとも暇だな・・・とか、つまらないな・・・とか、思わずに観続けてしまったのです。涙もなぜだか流れてくるし。不覚にもハンカチを忘れてしまったため、堪えぎみでしたが。
「自叙伝を描く」という行動。これは、何を物語っているのか?私は、そこに秘密を知る手がかりがあると思いました。
最後の文を描いて、「タキ」はカタルシスが起きたのか、大粒の涙を流すのです。ずっと、人に言えなかった秘密を描き終えたこと。でも、きっと全部は書いていなかったんだろうなと私は想像しました。
それは、「タキ」の思いです。約60年、ずっと一人身を貫いたタキ。そして、あのとき、板倉に奥さまの手紙を渡さなかったこと。
きっとタキも板倉のことが気になっていて、そして、奥さまよりも最後に自分が板倉と会った事実を封印しておきたくて、だから、あの手紙を渡さなかった。でも、それは罪悪感と一緒になって、心の奥にずっとしまうことになって、自叙伝を描いて、少しでも解放したかったのだと思うのです。死ぬ前に。
しかし、自叙伝は、親戚の健史も読むし、やはり本当の本当に言いたかったことは、それでもなお心の奥底に沈めていたのだと思うのです。もう、これはそのまま自分の心に閉まったままにしておこうと、最後の最後まで封印を貫き通して・・・・。きっと、親戚の健史が最後に流した涙は、それがわかったのだろうな、と映画後、1時間して思いました。
そして、それが分かったら、私もなんだか辛くなってしまいました。映画を観ながら、何度もためいきが自然に出てきたのですが、きっと何かを吐き出したいという体からの自然な反応だったのかも、と今思います。
人間が死の準備として、人生の重荷をおろしたいと思うのかもしれないと…。ああ、辛かっただろうな…。でも、封印したいほど、「小さいお家」に女中として働いていたことは、タキの人生にとって幸せなことだったんだろうなとも思いました。
原作を読んでいないので、もしかしたら著者の考えとは違ったものを発見してしまったのかもしれませんが、映画が終わった後も色々と考え続けたことは、とても価値のある時間でした。
★小さいお家 HP
レディースデー、正午の映画館へ行ったら、シルバーの方々でいっぱいで、
いつもと違う光景に自分の守備範囲が広いのかもと思ってしまいました。(笑)
なぜ、ひさびさの邦画になったのか。
それは、黒木華さんがベルリン国際映画祭で銀熊賞ということで、
どんなところが評価されたのかなとか、興味を持ちました。
あらすじをかなり簡単に言いますと、昭和初期。平井家の女中として来た「タキ」が見た「小さいお家」で起こった情事についてです。奥さま「時子」と夫「雅樹」の部下で「板倉正治」という青年が現れ、時子の心が板倉へと傾いていくのです。そんな板倉に実は「タキ」も惹かれていたのではないかと…。物語は、晩年のタキがつづった自叙伝をタキの親類・健史が紐解いていき、それまで秘められていた真実を知る・・・ストーリーです。
話としては、わかりやすいお話しです。いろいろとレビューや海外の評価が低いという記事なども読んで、自分をニュートラルに整えて、観てから1時間して発見したことがありました。これは、私が感じた真実であり、いまのところ誰の感想にも書いていなかったのですが。(笑)
そんな風に、物語の真実を勝手に想像して、「そうだったのかも!」と後から楽しんでいる自分がいました。
映画を見ながら、いろいろな気持ちに共感できるのではないかと思います。
・恋に落ちる瞬間
・秘密を持ってしまったとき
・罪を打ち明ける時
・カタルシスが起きる時
・自分の思いを封印し続ける辛さ
もっとたくさんあると思うのですが、2時間強のなかで、一瞬たりとも暇だな・・・とか、つまらないな・・・とか、思わずに観続けてしまったのです。涙もなぜだか流れてくるし。不覚にもハンカチを忘れてしまったため、堪えぎみでしたが。
「自叙伝を描く」という行動。これは、何を物語っているのか?私は、そこに秘密を知る手がかりがあると思いました。
最後の文を描いて、「タキ」はカタルシスが起きたのか、大粒の涙を流すのです。ずっと、人に言えなかった秘密を描き終えたこと。でも、きっと全部は書いていなかったんだろうなと私は想像しました。
それは、「タキ」の思いです。約60年、ずっと一人身を貫いたタキ。そして、あのとき、板倉に奥さまの手紙を渡さなかったこと。
きっとタキも板倉のことが気になっていて、そして、奥さまよりも最後に自分が板倉と会った事実を封印しておきたくて、だから、あの手紙を渡さなかった。でも、それは罪悪感と一緒になって、心の奥にずっとしまうことになって、自叙伝を描いて、少しでも解放したかったのだと思うのです。死ぬ前に。
しかし、自叙伝は、親戚の健史も読むし、やはり本当の本当に言いたかったことは、それでもなお心の奥底に沈めていたのだと思うのです。もう、これはそのまま自分の心に閉まったままにしておこうと、最後の最後まで封印を貫き通して・・・・。きっと、親戚の健史が最後に流した涙は、それがわかったのだろうな、と映画後、1時間して思いました。
そして、それが分かったら、私もなんだか辛くなってしまいました。映画を観ながら、何度もためいきが自然に出てきたのですが、きっと何かを吐き出したいという体からの自然な反応だったのかも、と今思います。
人間が死の準備として、人生の重荷をおろしたいと思うのかもしれないと…。ああ、辛かっただろうな…。でも、封印したいほど、「小さいお家」に女中として働いていたことは、タキの人生にとって幸せなことだったんだろうなとも思いました。
原作を読んでいないので、もしかしたら著者の考えとは違ったものを発見してしまったのかもしれませんが、映画が終わった後も色々と考え続けたことは、とても価値のある時間でした。
★小さいお家 HP
コメント
コメント一覧 (2)
私の感想堀口さんとはちょっと違って
タキさんはあの小さなおうちの幸せを守るためにあの手紙を渡さなかったのではないか、
と思いました。家、奥様、あの家族が大好きだった。
板倉さんが戦争から帰ってきたときから あれでよかったのか・・と苦しんでいたのかな〜と・・
でも いい映画でした。私は特にタキさんの所作がすてきだな〜と見入ってしまいました。
現代であのような女性を見かけるのは 難しくなりましたね。
記事をお読み頂きありがとうございます。
なるほど、所作もチェックされていたとは!女性らしいですね!
>あれでよかったのか・・と苦しんでいたのかな〜
という見解に至ったのですね。
色々感想を語り合うことが楽しい映画ですね!