「飛行機がですね、出発が1時間半遅れになりまして…」
成田空港の旅行代理店窓口で告げられました。
「それで、トランスファーですが、荷物も取る必要もないですし、そのまま搭乗ゲートには向かえるので、ギリギリ間に合うとは思いますが…」
「そうですか。わかりました」
そんなに心配してはいませんでした。トランスファーの待ち時間が、成田空港に前倒しされただけですから。
一方、日本のエージェントからも確認の電話があり、次の飛行機に乗れたかどうか、確認の電話をしてほしいとのこと。電話に出た男性は、ずいぶん焦っているように感じました。
まあ、出発が遅れはしましたが、KLM航空、空の旅はわりと快適でした。
お隣にはフランス人老夫婦が座っていました。おばあちゃんは、イヤホンのつけ方に戸惑ったり、トイレで立って戻るときに、必ず座席を通り越して先に行ってしまったり、(笑)3回目は私もようやくおばあちゃんを呼びとめる言葉を見つけて、「マダーム!」と声をかけると、おばあちゃんは振り向いて、恥ずかしそうに席に戻ってきました。そうして、今度は映画を観ようと、座席のスクリーンと格闘している様子。私がどれを観たいのか? ジェスチャーで尋ねると、まさか!私が観ていた『FROZEN』を指さしました。今年はParisへは行かないですが、ちょっとしたパリジェンヌとのふれあいのひとときでした。(笑)
着陸が近くなる頃に、KLMへの乗り継ぎのアナウンスがありました。KLMでは、情報は共有されているとのこと。乗り継ぎ便は、私たちの到着を待っているとのことでした。きっと大丈夫だろうとは思っていましたが、説明を受けて少し肩の荷が下りました。
空港に着いたら、あらかじめスキポール空港の様子を、シミュレーションしていた通りに、迷わず搭乗ゲートへ向かいました。日本のエージェントにも連絡し、あちらも安心をしたようです。
セキュリティーチェックを済ませ、2010年与論島ひとり旅を一瞬思い出してしまうような、小さめの飛行機に乗り込むと、既に乗り込んだ人々が出発を静かに待っていました。Londonへ向かうだけあり、段々と英語が聴こえてきます。
夕方17時頃、曇り空を突き抜けた飛行機から見える景色はとても美しく、雲に夕焼けが反射して機内は温かな色に染まっていました。
2機目の飛行機に乗れて安心したのも束の間、人間が間に合ったとしても、荷物が間に合わないのではないか? まだ全ては終わっていないという状況に気づいてしまいましたが…。
とはいっても、乗り換えで全く待たなかった分、まるで直行便で来てしまったかのような速さでした。その先の工程は、荷物をピックアップしてから、送迎してもらうことになっていました。寮に着くのは19時くらいでしょうか。ゆっくりと部屋で過ごそうと考えていました。
「もしかして堀口さんですか?」
Baggage claimに着くと、日本人の50代くらいの男性が私に話しかけてきました。
早速、ドライバーに会えたのかなと思いました。
「荷物が遅れて、次の飛行機で到着するようですよ。遅れてきた荷物を後から届けてもらえるそうなので、ここで書類を書いてくださいとのことです」
書類を書いていると、「ホテルでないから、荷物は明日寮に届くことになります」とKLMの人に言われました。
「えーーー!!!」
明日の準備のものは、もちろんトランクに入っていますから、今晩、手荷物だけでは厳しいです。2時間くらい空港で待っても、全く構わないのに…と思いました。
しかし、送迎してもらうので、仕方なくこの状況を受け入れなくてはいけないのかなと思いました。書類を書き終えたくらいに、声をかけてきた日本人男性は、他の男性と一緒に出口の方へ向かっているのが見えました。私は追いかけたのですが、途中で見失いました。
でも、待っていれば来るかなと思い、そのままゲートで待ち続けていたのですが…。30分経っても現れず…。とうとう、電話することはないだろうと思っていた、緊急連絡先へ電話をかけることにしました。いきなりの英会話です。電話ですので、あらかじめ要件を英語で用意しておきました。
会えていない旨を伝えると、「インフォメーションデスクで待っていてください、ドライバーがそこへ行きますので」と言われました。言われたとおりにそのまま待ち続けたのですが、私を探している人の気配もなく、また1時間経過。2度目、3度目の電話で、「もう、ドライバーは居ないので、自分で寮へ行ってください」と言われてしまいました。しかし、そう言われて、私の心は晴れてきて、明らかに気軽さを感じました。
「ああ。よかった、荷物を取って行ける!これで自由だ!」(笑)
もう、到着してから2時間近く経っていたので、そろそろ荷物が着くころです。KLMに先ほど渡された書類にある電話番号に電話し、「まだ空港にいるので荷物を取って帰れます」と伝えました。遅れてきた荷物は、20:20に到着するとのこと。Baggage claimに入れる入り口を教えてもらい、入るときには、そこから電話をすれば、係の人が連れていってくれるとのことでした。
そうこうしているうちに、ロンドンのクライアントさんからメールが来たのです。私がまだヒースローにいる理由を伝えると、驚かれ、スカイプを使って電話までしてくれました。(涙)クライアントさんとメールのやり取りを重ね、地下鉄で向かうことにしました。すぐに出られるように、重い荷物を取る前に地下鉄の切符を買って用意しました。
その後、荷物を無事に取れたことをクライアントさんにメールすると、私が買った切符は、ヒースローエクスプレスでなく、普通の地下鉄を買ってしまったことに気づかされました。
仕方なく重い荷物をコロコロしながら、地下鉄窓口に払い戻しをお願いしにいくと、「なんで45分も前に買ったんですか?」と駅員に訊かれ、「荷物が遅れたのを取りに行く前に買っておいたものです。後から間違えに気づきました」と理由を告げたのですが、「45分も経過しているから、できません!」と言われ、早速5ポンド無駄になってしまいました。(涙)説明をさせるわりに、始めから答えを決められているかのようです。私が話したことも、自分に言いわけが返ってきているように感じ、事実に着目し、前向きに考えてこられた私も、ここで遂にやり場のない苛立ちがこみ上げてきました。
それで、新たにヒースローエクスプレスを買う気が失せてしまいました。もう、こうなったら高くついても何でも構わない。そもそも荷物が重いので、タクシーだ!
しかし、空港には、クライアントさんがあまりお薦めでないという、料金的にも高くつくというメーター制のブラックキャブしか止まっていませんでした。
既に£5無駄にして、ロンドン中心に出るのに夜料金も加算され、2万円近くかかるなんて!(1ポンド=175円)グループ旅行でしたら割り勘ですが、ひとり旅はこういうときに高くつきます。
一気に、心の中が悲しみと憤りでいっぱいになり、イギリスが嫌いになりました。(爆)しかし、怒りの持って行き場がないのも事実であることにも気づいていました。
冷静になるまで静かに待って、再度考えることにしました。結局、始めから料金が決まる完全予約制のタクシーMini Cabをクライアントさんに予約してもらう方法を取りました。£86(約15,000円)でした。
タクシーに乗りながら、日本のエージェントに、荷物が遅れたこと、ドライバーと見られる人に名前を呼ばれたけれど、その後消えてしまったこと、緊急連絡先に電話をしたけれど、会えなかったことなど、淡々と事実をメールに書き、胸の中の苦しさが減ったような気がしました。
結局、論点はどこか? と考えているうちに、声をかけた日本人が、一言言ってくれたらよかったのに…と、そこにたどり着きました。イギリスを嫌いになったことは、水に流しました。(笑)そのドライバーに意見として伝えておいてくださいと、メールをしめました。
私の寮は、ロンドンの東、「Mile End」です。空港が西の方に位置するため、さらに時間がかかり、23時すぎにようやく寮に到着。タクシーの運転手に”Bob’s your uncle.”と言いながらチップを渡すと、笑ってくれて、ほっとした気分になりました。
出発2日前に、ロンドン出身の英会話のインストラクターに教えてもらった英国特有の表現”Bob’s your uncle.”(万事OK)が、もっとも合う状況になってしまったのです。(爆)
東京の家を出てから22時間、ようやく部屋に到着。タクシーの中で、気持ちの整理が済んでみると、体としてはあまり疲れていなかったようで、元気な自分に気づきました。寮の部屋はとてもクールでスタイリッシュ。快適な空間でした!
いきなり、部屋のトイレットペーパーがない?!ことに慌てふためきましたが。
ここは寮でした…。寮内を探していたら、自販機で買うことができました。
結局、話しかけてきた日本人は、通りすがりの人で、語学学校が手配していたドライバーは、現地の人だったようです。2時間くらい空港で私を待っていたようで、アナウンスも流したとのこと。だけれども、会えないという結果になってしまったこと。それで結局、語学学校がリファンドしてくれることになりました。
通りすがりの日本人が私の名前を知っていたことが不可解ですが、きっとその人の荷物も遅れて、KLMの人と、「日本人はほかにもいないか?」という話になったのかなと、想像しています。ありがたい人だったのです。
それにしても到着日だけで、ずいぶん英語を話しました。変な英語だったかもしれませんが、全てのことが完了したということは、全て通じていたということで。
このレベルチェックテストは、EQ(心の知能指数)テストだったのでしょうか?(笑)
成田空港の旅行代理店窓口で告げられました。
「それで、トランスファーですが、荷物も取る必要もないですし、そのまま搭乗ゲートには向かえるので、ギリギリ間に合うとは思いますが…」
「そうですか。わかりました」
そんなに心配してはいませんでした。トランスファーの待ち時間が、成田空港に前倒しされただけですから。
一方、日本のエージェントからも確認の電話があり、次の飛行機に乗れたかどうか、確認の電話をしてほしいとのこと。電話に出た男性は、ずいぶん焦っているように感じました。
まあ、出発が遅れはしましたが、KLM航空、空の旅はわりと快適でした。
お隣にはフランス人老夫婦が座っていました。おばあちゃんは、イヤホンのつけ方に戸惑ったり、トイレで立って戻るときに、必ず座席を通り越して先に行ってしまったり、(笑)3回目は私もようやくおばあちゃんを呼びとめる言葉を見つけて、「マダーム!」と声をかけると、おばあちゃんは振り向いて、恥ずかしそうに席に戻ってきました。そうして、今度は映画を観ようと、座席のスクリーンと格闘している様子。私がどれを観たいのか? ジェスチャーで尋ねると、まさか!私が観ていた『FROZEN』を指さしました。今年はParisへは行かないですが、ちょっとしたパリジェンヌとのふれあいのひとときでした。(笑)
着陸が近くなる頃に、KLMへの乗り継ぎのアナウンスがありました。KLMでは、情報は共有されているとのこと。乗り継ぎ便は、私たちの到着を待っているとのことでした。きっと大丈夫だろうとは思っていましたが、説明を受けて少し肩の荷が下りました。
空港に着いたら、あらかじめスキポール空港の様子を、シミュレーションしていた通りに、迷わず搭乗ゲートへ向かいました。日本のエージェントにも連絡し、あちらも安心をしたようです。
セキュリティーチェックを済ませ、2010年与論島ひとり旅を一瞬思い出してしまうような、小さめの飛行機に乗り込むと、既に乗り込んだ人々が出発を静かに待っていました。Londonへ向かうだけあり、段々と英語が聴こえてきます。
夕方17時頃、曇り空を突き抜けた飛行機から見える景色はとても美しく、雲に夕焼けが反射して機内は温かな色に染まっていました。
2機目の飛行機に乗れて安心したのも束の間、人間が間に合ったとしても、荷物が間に合わないのではないか? まだ全ては終わっていないという状況に気づいてしまいましたが…。
とはいっても、乗り換えで全く待たなかった分、まるで直行便で来てしまったかのような速さでした。その先の工程は、荷物をピックアップしてから、送迎してもらうことになっていました。寮に着くのは19時くらいでしょうか。ゆっくりと部屋で過ごそうと考えていました。
「もしかして堀口さんですか?」
Baggage claimに着くと、日本人の50代くらいの男性が私に話しかけてきました。
早速、ドライバーに会えたのかなと思いました。
「荷物が遅れて、次の飛行機で到着するようですよ。遅れてきた荷物を後から届けてもらえるそうなので、ここで書類を書いてくださいとのことです」
書類を書いていると、「ホテルでないから、荷物は明日寮に届くことになります」とKLMの人に言われました。
「えーーー!!!」
明日の準備のものは、もちろんトランクに入っていますから、今晩、手荷物だけでは厳しいです。2時間くらい空港で待っても、全く構わないのに…と思いました。
しかし、送迎してもらうので、仕方なくこの状況を受け入れなくてはいけないのかなと思いました。書類を書き終えたくらいに、声をかけてきた日本人男性は、他の男性と一緒に出口の方へ向かっているのが見えました。私は追いかけたのですが、途中で見失いました。
でも、待っていれば来るかなと思い、そのままゲートで待ち続けていたのですが…。30分経っても現れず…。とうとう、電話することはないだろうと思っていた、緊急連絡先へ電話をかけることにしました。いきなりの英会話です。電話ですので、あらかじめ要件を英語で用意しておきました。
会えていない旨を伝えると、「インフォメーションデスクで待っていてください、ドライバーがそこへ行きますので」と言われました。言われたとおりにそのまま待ち続けたのですが、私を探している人の気配もなく、また1時間経過。2度目、3度目の電話で、「もう、ドライバーは居ないので、自分で寮へ行ってください」と言われてしまいました。しかし、そう言われて、私の心は晴れてきて、明らかに気軽さを感じました。
「ああ。よかった、荷物を取って行ける!これで自由だ!」(笑)
もう、到着してから2時間近く経っていたので、そろそろ荷物が着くころです。KLMに先ほど渡された書類にある電話番号に電話し、「まだ空港にいるので荷物を取って帰れます」と伝えました。遅れてきた荷物は、20:20に到着するとのこと。Baggage claimに入れる入り口を教えてもらい、入るときには、そこから電話をすれば、係の人が連れていってくれるとのことでした。
そうこうしているうちに、ロンドンのクライアントさんからメールが来たのです。私がまだヒースローにいる理由を伝えると、驚かれ、スカイプを使って電話までしてくれました。(涙)クライアントさんとメールのやり取りを重ね、地下鉄で向かうことにしました。すぐに出られるように、重い荷物を取る前に地下鉄の切符を買って用意しました。
その後、荷物を無事に取れたことをクライアントさんにメールすると、私が買った切符は、ヒースローエクスプレスでなく、普通の地下鉄を買ってしまったことに気づかされました。
仕方なく重い荷物をコロコロしながら、地下鉄窓口に払い戻しをお願いしにいくと、「なんで45分も前に買ったんですか?」と駅員に訊かれ、「荷物が遅れたのを取りに行く前に買っておいたものです。後から間違えに気づきました」と理由を告げたのですが、「45分も経過しているから、できません!」と言われ、早速5ポンド無駄になってしまいました。(涙)説明をさせるわりに、始めから答えを決められているかのようです。私が話したことも、自分に言いわけが返ってきているように感じ、事実に着目し、前向きに考えてこられた私も、ここで遂にやり場のない苛立ちがこみ上げてきました。
それで、新たにヒースローエクスプレスを買う気が失せてしまいました。もう、こうなったら高くついても何でも構わない。そもそも荷物が重いので、タクシーだ!
しかし、空港には、クライアントさんがあまりお薦めでないという、料金的にも高くつくというメーター制のブラックキャブしか止まっていませんでした。
既に£5無駄にして、ロンドン中心に出るのに夜料金も加算され、2万円近くかかるなんて!(1ポンド=175円)グループ旅行でしたら割り勘ですが、ひとり旅はこういうときに高くつきます。
一気に、心の中が悲しみと憤りでいっぱいになり、イギリスが嫌いになりました。(爆)しかし、怒りの持って行き場がないのも事実であることにも気づいていました。
冷静になるまで静かに待って、再度考えることにしました。結局、始めから料金が決まる完全予約制のタクシーMini Cabをクライアントさんに予約してもらう方法を取りました。£86(約15,000円)でした。
タクシーに乗りながら、日本のエージェントに、荷物が遅れたこと、ドライバーと見られる人に名前を呼ばれたけれど、その後消えてしまったこと、緊急連絡先に電話をしたけれど、会えなかったことなど、淡々と事実をメールに書き、胸の中の苦しさが減ったような気がしました。
結局、論点はどこか? と考えているうちに、声をかけた日本人が、一言言ってくれたらよかったのに…と、そこにたどり着きました。イギリスを嫌いになったことは、水に流しました。(笑)そのドライバーに意見として伝えておいてくださいと、メールをしめました。
私の寮は、ロンドンの東、「Mile End」です。空港が西の方に位置するため、さらに時間がかかり、23時すぎにようやく寮に到着。タクシーの運転手に”Bob’s your uncle.”と言いながらチップを渡すと、笑ってくれて、ほっとした気分になりました。
出発2日前に、ロンドン出身の英会話のインストラクターに教えてもらった英国特有の表現”Bob’s your uncle.”(万事OK)が、もっとも合う状況になってしまったのです。(爆)
東京の家を出てから22時間、ようやく部屋に到着。タクシーの中で、気持ちの整理が済んでみると、体としてはあまり疲れていなかったようで、元気な自分に気づきました。寮の部屋はとてもクールでスタイリッシュ。快適な空間でした!
いきなり、部屋のトイレットペーパーがない?!ことに慌てふためきましたが。
ここは寮でした…。寮内を探していたら、自販機で買うことができました。
結局、話しかけてきた日本人は、通りすがりの人で、語学学校が手配していたドライバーは、現地の人だったようです。2時間くらい空港で私を待っていたようで、アナウンスも流したとのこと。だけれども、会えないという結果になってしまったこと。それで結局、語学学校がリファンドしてくれることになりました。
通りすがりの日本人が私の名前を知っていたことが不可解ですが、きっとその人の荷物も遅れて、KLMの人と、「日本人はほかにもいないか?」という話になったのかなと、想像しています。ありがたい人だったのです。
それにしても到着日だけで、ずいぶん英語を話しました。変な英語だったかもしれませんが、全てのことが完了したということは、全て通じていたということで。
このレベルチェックテストは、EQ(心の知能指数)テストだったのでしょうか?(笑)
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