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 母と「何の映画を観に行く?」というやりとりを昨日メールでしまして、最近の映画の中でも特に評価の高かった『ドリーム』に決定しました。なので、決めた理由が単に数字だったわけですが、この映画は「数字」の映画でした。(笑)

公式HP

 NASAによる宇宙開発において、その偉業を支えた歴史上知られざる3人の女性数学者たち、キャサリン・G・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの史実に基づく物語です。

 1961年、ソ連のボストーク1号が史上初めて有人で地球を一周する宇宙飛行を成功させたということで、アメリカのNASAは先を越されてしまい、宇宙の旅に必死に取り組んでいました。そして、1961年に宇宙飛行士ジョン・グレンがアメリカ初の地球周回軌道飛行を成功させるのですが、その裏で活躍していたのが、黒人の計算係たち。特にキャサリンはその類い希な実力を認められ、宇宙特別研究本部で中心的な役割を担っていました。なんと、現在もご健在のようで、100歳近いようです。

 La La Landを超えた!ということが宣伝文句にもなっていますが、アメリカの人種差別について、黒人たちが実際に実力を認められてNASAに協力をしていたという歴史的事実から、どうやら子供も連れての動員数が伸びたという情報もありました。

 しかし邦題が『ドリーム』なので、日本人にとってはこの題名の方向でいいのかもしれません。原題 "Hidden Figures" →『影の人』もしくは、『影の数字』という方向から見ると、アランチューリングを思い出しました。彼も数学者で、エニグマを解読するコンピューターを開発した人で、国家的な機密事項を扱う仕事のため、やはり影の人物。「黒板と数式」な映画は全く計算式が分からないけれど、なんだかすごくミステリアスな雰囲気です。

 ふと思ったのですが、結果としてですが、歴史に必要な人は「生まれるべくして生まれてきている」なぁと。最近そういうことを考え始めたので、「歴史に残ること=前例を作ること」つまり、時代が必要あって、この世に生まれた人たちという見方もできるなと思いました。

 というのも、私はこの映画の最初のシーンでの言葉が、この映画を決めるセリフだったのではないかと密かに思いました。

 NASAへ向かう3人の女性(主人公たち)の車がエンストして修理しているところに、パトカーがたまたま現れるシーンです。そのとき「こんなところでエンストか?」と警察官が言うと、「この車が必要あってここに止まったのよ」と、メアリーが言うのです。YouTubeでそのシーンを見つけたのですが、英語のリスニングがうまくできず、これは英会話の先生に後から聞こうと思いますが!



 私にとっては「何のためにこの世にやってきたのかな?」という問いが、この映画を観たあとに出てきました。だから、タイトル『Dream』になると、自分の夢を実現させるみたいな想いが強くなってしまうと思うので、なんとなく原題 "Hidden Figures"のほうが深い気がしています。

 それにしても感動するように作られてしまったなと思いつつ、(笑)でもこれは事実に基づく話であり、勇気も涙もが湧いてくる映画に違いありません。